『ブルージャイアント』でジャズを聴くキッカケが増えたら

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「ジャズは熱い音楽だ」と宣言してくれた漫画

漫画はふだんほとんど読まないのですが、これはテーマがジャズなので読んでいます。
ジャズミュージシャンを目指す若者を描くという、これまでありそうでなかった漫画、ブルージャイアント。

ジャズをテーマにした漫画というとこれまでも坂道のアポロンなどがありますが、こちらは少女漫画のタッチでどうにもあわず、読んでいません。読んだら面白いのでしょうか。

ブルージャイアントはドラマ化もされた岳(1) (ビッグコミックス)の著者、石塚真一さんの作品ですから、画風も青年漫画のタッチで親しみやすいです。

でも、正直、最初に1巻目を読んだときはひどいなぁと思いました。
突っ込みどころ満載というか、主人公が沈んでいく大きな夕陽を見て「ジャズってんなぁー」というシーンには、いやそんなこと言わんしと思いましたし、読んでいただければわかると思いますが巻末のインタヴューも鼻に触るというか、わざとらしいというか。
そのせいで一巻だけ読みがっかりして続きは読まずそこでやめてしまいました。

二巻以降を読んだのは、たまたま入った漫画喫茶に置いてあったから。
読んでみるとこの漫画、3巻目から面白くなってきます。
一二巻目はまだ青臭い感じがしていやな鳥肌がたちますが(クサいなぁと思うところがしばしば)、3巻目以降、物語が動き始めると面白いです。
でも考えてみれば漫画ってそういうものですよね。
開始間もなくはテンションも絵もまだ微妙な感じだったりするのが普通でした。

物語の筋としては、仙台在住の男子高校生が中学の終わりに友だちに連れていかれたライブハウスでジャズに目覚め、世界一のジャズミュージシャンになるため広瀬川で毎日毎日サックスの練習を始めるところからスタートし、8巻現在では上京し徐々にライブに人も集まるようになってきたところまでが描かれています。
主人公が天才であることがちょっとあからさまに描かれている気がしなくもないのですが、キャラクターが天然なので鼻にさわりません。そこがうまいなぁと思います。

またこの漫画はジャズと関わりながら生きる人たちの様もほんとうによく描けていると思います。
一流を目指し、バークリー音大を卒業したものの今では仙台でレッスンをやったり片手間に作曲をやったりして生活しているサックスプレイヤー、しんみりとしたボーカルもののライブしか開催できないライブハウスの店主、レコードに囲まれながら暮らす小さなジャズバーのママ、素晴らしい音楽だと思いながらCDのプレス数を上げることが許されないレコード会社の社員。

みんなジャズを信じているけれど、どこかジャズに疲れている、でもジャズから離れることはできない。
まさにいまのジャズ業界そのもののように思います。
いま、リアルのジャズ・シーンにも優れた若手ミュージシャンが登場し、シーンに風穴を空けてくれるかもしれないという雰囲気がほんの少しですが出てきました
この漫画をきっかけにしてこの漫画の主人公のようにジャズに体当たりする若者が出てきてくれればと、身勝手ながら期待してしまいます。

おまけですが、第7巻の巻末には来日した(たぶん東京ジャズのときでしょう)ハービー・ハンコックとウェイン・ショーターへの著者のインタビューが載っていて、これも面白かったです。
両者とも「分析するのが大好き」、というところが印象的でした。やっぱりなぁ、自分はそこが苦手だからなぁ。

ライフワークはジャズとランニングと横浜ベイスターズ。無駄に絶対音感あり。ピアノを弾きます。

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