ブッカー・アーヴィン『クッキン』レビュー

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骨太テナーが愚直に鳴る名盤

マイルズ・デイビスの名作と同じタイトル

ブッカー・アーヴィンは最も好きなテナー奏者のひとりです。

アーヴィンのテナーのサウンドはコルトレーンに近い硬い音なのですが、ロリンズのような思い切りのいいブローもあって迫力のある演奏をしてくれます。
タイプとしてはジョニー・グリフィンが一番近いと思いますが、グリフィンの方がもっと華があって、一方のアーヴィンは地味というか、「愚直」という言葉がぴったりな演奏です。

テクニックは抜群にある。サウンドもいい。でもロリンズやトレーンのようなオリジナルティーはない。
ジャズ史に数多いるB級テナーのひとりとも言えますが、僕はこの人の真っ直ぐな演奏が大好きなんです。

この作品はマイルズの超名盤『クッキン』と同タイトルですが、こちらもどハードバップです。
まぁ作品としての質はグッと落ちるのは認めざるを得ませんが、いかにもこの人らしい、とにかく真剣な演奏ばかりの一枚でした。

パーソネル・曲目は以下。

ブッカー・アーヴィン(ts)
リチャード・ウィリアムス(tp)
ホレス・パーラン(pf)
ジョージ・タッカー(b)
ダニー・リッチモンド(ds)

1. Dee Da Do
2. Mr. Wiggles
3. You Don’t Know What Love Is
4. Down In Dumps
5. Well, Well
6. Autumn Leaves

背筋の伸びる真っ直ぐな名演

曲目はアーヴィンお馴染みでブルースが多いですが、You don’t know what love is や Autumn Leaves と言ったどスタンダードナンバーも入っていて驚きました。
枯葉のソロは散漫な印象でしたが、You ~ はまさにこの人向きの曲というか、こんな風に切々と歌われるべき曲なんだなと思います。

ジャケットの良さに惹かれて購入しましたが、背筋のピンと伸びた、非常に質の高い演奏ばかりでとてもよかった。
現代のジャズも、もっとこういう「心からの熱意」で演奏されるべきじゃないかと、改めて思わされました。

それにしてもこのジャケット格好いいですよね。
レコードだと壁に飾ってなお良しです。

ライフワークはジャズとランニングと横浜ベイスターズ。無駄に絶対音感あり。ピアノを弾きます。

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